交通事故に関するコラム

~腫脹・血腫の重要性~ 交通事故外傷直後

交通事故により、打撲や捻挫をした部位に腫脹や血腫が出来ることがよくあります。
腫脹や血腫は、基本的には時間の経過とともに徐々に良くなっていきますので、それ自体が後遺障害となることはありません。
しかし腫脹や血腫があるということは、交通事故により身体の特定部分に大きな衝撃を受けたという証拠となります。
交通事故の後遺障害認定では、受傷部位の腫脹や血腫が外傷の証拠として機能しています。腫脹や血腫の有無によって、後遺障害の判断が左右されることも珍しくありません。
このため、腫脹や血腫があったことを証拠として残すことが、極めて重要となるのです。

 

腫脹について

まず腫脹とは、炎症などにより身体組織の一部が腫れることをいいます。
事故後に腫脹が確認されれば、交通事故によってその部分に大きな衝撃を受けたことが分かりますので、外傷の証拠となります。
例えば画像所見で異常が確認された場合、部位によっては経年性の異常であるなど、交通事故以前からの既存障害であることが疑われます。
そうした場合に、受傷部位の腫脹の存在が、外傷所見であることの一つの証拠となるのです。

 

血腫について

一方で血腫は、腫脹以上に直接的な証拠となります。
血腫とは、出血によって組織内に血液貯留が形成された状態をいいます。
血腫があるということは出血があるということですので、腱や靱帯などの軟部組織に損傷があることを疑わせます。
典型的な例としては、膝(ヒザ)の靭帯損傷(特に、前十字・後十字靱帯)があります。
十字靭帯は血流が豊富ですので、靭帯損傷があった場合には膝に血が溜まり、血腫で膝に腫れが生じます。
もちろん完全損傷か不全損傷かによって腫れの程度も変わりますが、膝関節の受傷後に膝が腫れあがった場合には、真っ先に靭帯損傷が疑われることになります。

 

腫脹や血腫が出た場合には、医師に報告を!

このように、受傷部位の腫脹や血腫は、外傷性や後遺障害の判断に極めて重要な証拠となります。
しかし残念ながら、腫脹や血腫についてカルテや診断書に記載して貰っていなかったために、証拠が残っていないケースが少なくありません。
腫脹や血腫は時間の経過で改善してしまいますので、後から「交通事故の直後には腫脹・血腫があった!!」と言っても、後の祭りとなることが多いです。
ですから初診後に、主治医に患部の腫脹・血腫を確実に見て貰い、診療録に記載して貰っておくことが重要となります。
通常、腫脹や血腫は受傷から数時間後から発生するため、初診時に腫れが出ない場合もあります。後から腫れが出てきた場合には、速やかに主治医の診断を受けましょう。

そのほか、受傷後に腫脹や血腫が出た場合、写真を撮って証拠を残しておくことも有効な手段であると思われます。

 

文責 みまや法律事務所 弁護士 林 征人

 

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