交通事故に関するコラム

時効2 時効の完成を防ぐには

消滅時効期間は3年間

前回のコラム(2014.3.14付)で申し上げた通り、消滅時効期間は3年間で、気がつくとすぐに経ってしまいます。損害賠償請求で重要なのは、具体的な症状に対する適切な後遺障害は何かを検討し、適切な後遺障害の認定を受けるために必要な検査や分析を行うことです。しかし、検査一つとっても、内容によっては予約が必要であったり、主治医の病院では検査できないため紹介を受けたり等、手間暇がかかります。時効完成間近の段階になってから、検査を行うことは困難です。そこで、時効の完成を防ぐ必要があります。

消滅時効の「中断」

「中断」とは、時効の起算点を新たに設定する方法です。時効が中断された場合、たとえ時効完成日間近であっても、再び3年間の時間ができます。
時効の中断の方法としては①加害者側が行う方法、②被害者側が行う方法があります。

①加害者側が行う時効の中断
・損害の一部の支払いがあった場合
  実務上時効中断が認められているのは、加害者側が治療費など、損害の一部を支払ってい
  る場合です。この場合、最後に支払われた日が、新たな時効期間の開始日となります。 
・示談案の提示があった場合
  加害者側が交通事故の示談案を提示してきた場合にも、時効の中断が認められます。
  加害者側が、事故による損害賠償責任を承認しているからです。
このように、加害者側が、債務(損害賠償義務)を承認している場合には、時効の中断が認められます

②被害者側が行う時効の中断
  加害者側が時効中断を認めない場合、被害者が時効を止めるには、加害者側に損害賠償請
  求することが必要となります。
  この場合、「請求」とは、最終的には訴えを起こすことが必要となります。巷で聞かれる
  内容証明郵便では、6ヶ月間しか時効を止めることはできませんその間に訴訟等、裁判
  所を介した手段に訴えなければ、消滅時効は完成してしまいます)。

 

事故から3年が経とうとしている場合、ご自身の損害賠償権は時効が完成しないのか、いつまで請求できると考えればよいのか、しっかりと把握しておくことは、非常に重要です。

消滅時効は本当に怖い制度です。たった一つの見落とし、期間の計算間違いによって、損害賠償請求権が0となってしまいます。被害者の損害の内容によっては、何千万円、何億円もの損害賠償ができた可能性があったのに、消滅時効が完成したために、1円の請求もできなくなってしまう、このようなことが現実に起こりうるのです。

しかも、中断されたか否かの問題や、具体的な時効完成日の把握をすることは、複雑な問題も含んでいます。
素人判断に寄らず、一度専門家へご相談されることをお勧めします。

当事務所では、弁護士と事務局で相互に事件の管理をしており、万が一の時効完成を防ぐよう細心の注意を払っております。

お気軽にご相談下さい。

 

弁護士 岩田直樹

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